キネティシストは大ダメージの接触攻撃を回数無制限で使えるというクラスであるが、イマイチ能力が分かりづらいとも言われているようだ。そこで、キネティシストの能力の概要をまとめてみた。
本ページでは文中のクラス能力については〔能力名〕のように表記するがこれは公式の表記法でないことに注意してほしい。
キネティシストのクラス能力
キネティシストのクラス能力は大別すると以下の4つに分類できる。
- エレメンタル熟練:力の源である元素属性を選ぶもの。他の能力の選択肢に影響する要素。
- 燃焼:能力の使用制限であるとともに強化要素でもあるプラスマイナス両方の能力
- 念動力爆破:高命中大ダメージのメイン火力
- 元力:呪文や特技、他クラスのクラス能力に似た効果を得られる様々なパワー
他にも能力はたくさんあるが、大半は念動力爆破を拡張する能力なので、ざっくりとまとめるとこのくらいになる。
エレメンタル熟練関連
〔エレメンタル熟練〕
キネティシストのクラスを得ると最初に習得する能力。地水火風の元素属性のいずれか1つを選ぶ。キネティシストのクラス能力の多くは特定の元素が前提条件になっているものが多いので、ここで選んだ元素により能力の選択肢が大きく異なってくる。
自動的に関連した〔念動力爆破〕を1つ得る。
〔拡張元素〕
7Lvと15Lv時に追加で元素属性を選択でき、〔エレメンタル熟練〕と同様に〔念動力爆破〕を得るとともにクラス能力の選択肢に大きく影響する。
〔エレメンタル熟練〕と異なるのは〔防御元力〕を自動習得しない点と組み合わせ次第で強力な〔念動力爆破〕である合成爆破を習得できる点。
すでに選んでいる元素と同じものを選ぶことも可能。能力の選択肢が増えないので意味がないと感じるかもしれないが、こうすることでしか得られない合成爆破も存在する。
燃焼関連
〔燃焼〕の能力自体は強力なキネティシストの能力に対する制限であり、ペナルティでもあるもの。しかし〔元素飽和〕の能力によりそれをボーナスに転換することができる。
〔燃焼〕
キネティシストの能動能力である〔念動力爆破〕と〔元力〕には「燃焼コスト」が設定されている。それらの能力を使用すると燃焼ポイントが蓄積していく。この燃焼ポイントには次のような制約やペナルティがある。
- 1ラウンドにつき燃焼ポイントは1点まで蓄積できる。この上限は6/9/12/15/18レベルで+1ずつされる。
- 1日に蓄積できる最大値は【耐久力】ボーナス+3点まで。これを超えるように能力を使用することはできない。
- 蓄積した燃焼ポイントは休息するとゼロに戻る。それ以外の手段で減らすことはできない。
- 蓄積している燃焼ポイント×クラスレベル点の非致傷ダメージを受ける。この非致傷ダメージは呪文などで回復することができず、休息によってのみ回復する。
例えば、1Lvで【耐久力】14の場合、燃焼コスト1点の能力を1日に5回まで使える。10レベルで【耐久力】16の場合、1ラウンドに最大3点まで、1日に合計6点まで燃焼コストを蓄積できる。こう見ると能力の使用回数が少なく感じるかもしれないが、燃焼コスト0の能力や、燃焼コストを減らす能力もあるため、実質ノーコストで使用できるものもある。
キネティシストの能力アイコンに書かれている数字はこの「燃焼コスト」を表している。他のクラスの能力は「使用回数」が書かれているがキネティシストは違う。
例えば〔念動力回復〕のアイコンの右上には1と書かれているが「使用回数1」ではなく「燃焼コスト1」のこと。これが混乱の要因かもしれない。
蓄積した燃焼ポイントの現在値と上限値はツールバーの上に書かれている。
補足:非致傷ダメージ
非致傷ダメージはその名の通り死に至らないダメージのこと。非致傷ダメージ+致傷ダメージ(通常のダメージのこと)が最大hpを超えると気絶状態となり行動不能となる。最大hpが減って気絶しやすくなったと考えておけばOK。
例えば、最大hp100、【耐久力】14のキャラクターの場合、非致傷ダメージを受けていない場合と非致傷ダメージを40点受けている場合とでは下表のとおり状態が推移する。
受けた致傷ダメージ | 非致傷ダメージなし | 非致傷ダメージ40 |
---|---|---|
0~59 | 普通 | 普通 |
60 | よろめき状態 | |
61~99 | 気絶状態 | |
100 | 満身創痍状態 | |
101~113 | 瀕死状態 | |
114以上 | 死亡 |
〔元素飽和〕
蓄積している燃焼の現在値が増えると非致傷ダメージが増えるため気絶しやすくなるデメリットがあるのだが、〔元素飽和〕により高い方が大きなボーナスを得ることができる。
- 3Lv以上で〔念動力爆破〕の攻撃ロールに燃焼の現在値に等しいボーナス(最大でクラスレベル/3)
- 3Lv以上で〔念動力爆破〕のダメージロールに上記の攻撃ロールの2倍に等しいボーナス
- 6Lv以上かつ3点以上で肉体能力値1つに+2サイズボーナス。11Lv以上かつ5点以上で2つに+4/+2、16Lv以上かつ7点以上で3つに+6/+4/+2
- 6Lv以上かつ3点以上でクリティカルヒットと急所攻撃を現在値×5%の確率で無効化
というわけなので、ある程度までは燃焼ポイントを蓄積させておいて、それ以降は普段使いは燃焼コスト0、切り札として燃焼コストのある能力を使っていく感じになる。
念動力爆破関連
キネティシストのメインの能力であり、ぱっと見理解しづらい能力。
〔念動力爆破〕
奇数レベル毎に1d6ずつのダメージを与える遠隔攻撃。標準アクションでノーコストでこの攻撃を行えるのがキネティシストの強み。遠隔攻撃なので命中判定を行う。
実際には選んだ元素によって〔火の爆破〕〔水の爆破〕のように異なる〔念動力爆破〕を習得する。これらは以下のように種別、爆発種別、ダメージタイプに差異がある。
種別
- 単純爆破:元素を選ぶと1つ習得できる普通の〔念動力爆破〕。燃焼コストは0。
- 合成爆破:特定の組み合わせの元素を2つを習得すると得られる強力な〔念動力爆破〕。ダメージは単純爆破の2倍だが燃焼コストは2。
爆発種別
- 物理:殴打・斬撃・刺突といった武器と同様のダメージタイプ。基本ダメージは1d6+1+【耐久力】ボーナスの遠隔攻撃。2レベルごとに1d6+1ずつダメージ増加。
- エネルギー:[火炎][氷雪][雷撃]といったエネルギー属性のダメージ。基本ダメージは1d6+【耐久力】ボーナス/2の遠隔接触攻撃。2レベルごとに1d6ずつダメージ増加。接触攻撃なのでACに対する鎧や盾のボーナスを無視する。敵の呪文抵抗の影響を受けるため、呪文抵抗を持つ敵には判定に2回成功しなければならないし、ゴーレムのような呪文無効の敵には効かない。
ダメージタイプ
〔念動力爆破〕が与えるダメージタイプ。物理ダメージはダメージ減少、エネルギーダメージはエネルギー抵抗により軽減される場合がる。
〔注入〕
〔念動力爆破〕に変化を与える能力。19Lvまでに8個習得できる。大きく分けると以下の2種類。
- 〔形態注入〕:〔念動力爆破〕は射程30フィートの単体攻撃だがこの形を変化させる。射程を伸ばしたり、球形範囲攻撃にしたり、壁状にして設置型にしたりなど。範囲攻撃になると命中ロールが不要になる代わりに相手がセーヴを行うようになる。
- 〔本質注入〕:〔念動力爆破〕が命中した際にダメージに加えて追加効果を与えるようになる。伏せ状態にしたり、視認困難を無効化したり、武器攻撃が命中しやすくなったりなど。追加効果を逃れるためにセーヴが可能なものもある。
〔注入〕は適用できる〔念動力爆破〕の種類が決まっていている。また、〔形態注入〕と〔本質注入〕はそれぞれ1つずつしか適用できない。〔注入〕には燃焼コストが設定されていて、〔念動力爆破〕の燃焼コストにこれらが加算される。
〔形態注入〕は〔念動力爆破〕アイコンの中に並んで表示される。並びの一番左が形態変化なしで、右に適用可能な形態変化が並ぶのでそのうちのどれを適用して使うかを選ぶ。〔本質注入〕は他の能力と同様に1つのアイコンになっている。クリックするごとにON/OFFが切り替わる。他の〔本質注入〕を選ぶと以前選んでいた〔本質注入〕は自動的にOFFになる。
〔注入開眼〕
〔注入〕の燃焼コストを減らす。5/8/11/14/17レベルで1点ずつ減らせる。〔形態注入〕と〔本質注入〕の合計値から減らすが〔念動力爆破〕本体や〔念動力修正〕の燃焼コストは減らせない。
〔念動力修正〕
呪文における《呪文修正特技》のように〔念動力爆破〕を修正できるが、燃焼コストが増加する。これは複数同時使用も可能。効果は以下の3つ。
- 強化:ダメージ1.5倍。燃焼コスト1
- 最大化:ダメージダイスが最大値になる。燃焼コスト2
- 高速化:標準アクションではなく即行アクションで使用可。燃焼コスト3
〔念動力修正の達人〕
〔念動力修正〕の3つのうちの1つを選んで、その燃焼コストを1下げる。
〔元力収集〕
〔念動力爆破〕と同時に習得。アクションを消費してパワーを収集するこことで〔念動力爆破〕の燃焼コストを下げる。〔念動力爆破〕+〔形態注入〕+〔本質注入〕+〔念動力修正〕の燃焼コスト合計値から下げてくれるから、これをうまく使えばと燃焼コストを0にできる。
- 低:移動アクションを費やして燃焼コスト-1
- 中:全ラウンドアクションを費やして燃焼コスト-2
- 高:全ラウンドアクション+移動アクションを費やして燃焼コスト-3
〔収集強化〕
〔元力収集〕使用時に燃焼コストがさらに-1。
〔合成開眼〕
合成爆破の燃焼コストが-1。元が2なので1になる。
念動力爆破についてまとめ
〔念動力爆破〕に〔形態注入〕〔本質注入〕〔念動力修正〕で強化を施し、〔元力収集〕で燃焼コストを下げてぶっ放す!ということ。
能力の関係を表にまとめると以下の通り。
能力 | 選択数 | 燃焼コスト | コスト軽減能力 | |
---|---|---|---|---|
〔念動力爆破〕 | 1 | 0~2 | 〔合成開眼〕 | 〔元力収集〕 |
〔形態注入〕 | 0~1 | 0~4 | 〔注入開眼〕 | |
〔本質注入〕 | 0~1 | 0~4 | ||
〔念動力修正〕 | 0~3 | 0~6 | 〔念動力修正の達人〕 |
元力関連
防御、妨害、回復などの様々な能力を得られる。
〔元力〕
偶数レベルごとに選んだ能力を1つ習得する。元素やクラスレベルが前提条件になっている能力ばかりなので序盤の選択肢は少なめ。標準アクションで使用する能力ばかりでなく、習得すれば常に効果があるパッシブ能力や特技を選ぶこともできる。
〔元力〕は〔念動力爆破〕ではないため、〔注入〕で変化させたり〔元力収集〕で燃焼コストを下げたりはできない。
〔防御元力〕
地水火風各元素に1つずつある防御的な元力。基本はコスト0の能力だが、燃焼コストを支払うことで効果を強化できたりする。〔エレメンタル熟練〕で選んだ元素のものは2Lv時に自動的に習得する。〔拡張元素〕で追加した元素のものは自動習得せず、〔元力〕の選択肢の一つとして選べるようになる。